ジムニー配線図集やスズキのメカニックに聞けば済むと思わないで下さい。
実際、私はメカニックに「間違った配線色」を教えられたことがあります。
もちろんメカニックに悪意はありませんし、「一応テスターで確認して下さい」
としっかり言われました。
テスターであたったので事なきを得ましたが、一歩間違えればヒューズが飛んでいたでしょう。
命に関わることですので、きちんと自分で検査して下さい。
それくらいのことを面倒と思うのでしたら、DIYなどやめましょう。
テスターのオススメはデジタル型です。
アナログと違い、初心者でも壊すことがまずないからです。
車でテスターを使うときは、「直流」(DC)の電圧(V)レンジが殆どで、たまに抵抗(Ω)くらいでしょう。
電源を探す場合はテスターを電圧(V)レンジにして、テスター棒の+(赤)を配線に、テスター棒の−(黒)をボディの金属部分に当てます。
このとき、電圧値が12V〜14Vを示せば電気がきていると判断できます。
ちなみに普通車は直流12Vですが、バイクは6v、トラックは24vです。
※注意 電流(A)はこの方法では計れません。 それは「電流計は直列、電圧計は並列」で調べなければならないからです。 テスターが壊れるので注意して下さい。
どこから説明すべきか・・・ですが、はじめから解説します。
電気は電源(電池、バッテリー、etc)のプラスから流れて、マイナスに帰ってきます。
この線をたどってどこかで切れていると、電気が流れません。
乾電池と豆電球を例にとります。豆電球のプラス(正確には豆電球に+−はありません)を電池のプラスに、
マイナスを電池のマイナスに繋ぐことで、電池+→豆電球→電池−という線ができ、電気が流れます。
−画像の上にカーソルを乗せると、解説が出ます−
車で電装品を使う場合、原則的には、「バッテリーのプラス」→「機器」→
「バッテリーのマイナス」と繋げば機器が使えます。
しかし、そのような繋ぎ方をするのは大容量アンプを使うときくらいです。
※ これをバッテリーと直接結線するので、「バッ直」と言います。
ではどうするのかというと、機器のプラスを「常時電源」や「ACC電源」などのプラス線に繋ぎ、 機器のマイナスを車体の金属部分に繋ぎます。
つまり、車ではボディ全体の金属部分がマイナス端子になっているのです。(バッテリーの−端子はボディに繋がっている)
これが「マイナス線は金属部分へ」、「アースに落とす」などといわれる理由です。
すごいですね。車体全体が−線なのです。
車内配線も楽ですし、線材も少なくてすみます。非常に便利です。
ところが、このことが危険を伴い、配線を慎重に行わなければ、重大な事故を招くことに直結するのです。↓
車のボディー全体がマイナス端子と説明しました。ここで、大事なことがあります。
それがショートです。
右の図を見て下さい。どの電球がつくでしょうか?
正解は「どれもつかない」です。
+から電気の流れをたどってみると、まず二手に分かれます。
上の線を行くと、抵抗(電球)が3つある道を通ります。そして、電池の−に帰ってきます。
ところが右に行くと、抵抗(電球)の無い導線を通って、そのまま−に帰れます。
両方の道に電気が流れそうに思えてしまいますが、
電気は抵抗が無い導線(極めて小さい抵抗)がある場合、その線にしか流れないという性質があります。
ですから、上の電球がある線には電気はまったく流れないのです。
これが、ショート(短絡)です。
ショートが起きた右図では、電池が速くなくなります。電池自体も熱を持ちます。破裂する危険もあります。そして、電球は永久につきません。
ここからが、本題です。
車の常時電源、ACC電源といったプラスの端子がボディーに触れたらどうなるでしょう?
そうです。ショートが起きます。
オーディオや照明などを無視して、バッテリー(+)→ プラス配線 → ボディー → バッテリー(−)という、抵抗の無い線のみを通るわけです。
と、書きましたが、とんでもないことです。
電池1個ならいざ知らず、バッテリーの最大電圧で、最大の電流が一瞬で流れるわけですから、恐ろしい事故になります。
コンマ何秒で導線の被覆が溶け、数秒で燃え出します。最悪ですと、車両火災です。
まぁそのためにヒューズが装着されているのですが・・・。
故意ではないにしろ、結線を疎かにすると、走行中に「ぷら〜ん」とはずれてボディーに触れたりしてしまうわけです。
これで、シツコイくらいに
「作業前はバッテリーのマイナス端子をはずしましょう!」
と言われる理由がわかります。
車の配線作業では、プラス線を剥き出しにして作業をします。
すると、何の気なしにその線がボディに触れると・・・即ショート!!
ですから、はじめにマイナス線をすべてキャンセルさせてから作業をするのです。
図を御覧になればわかりますが、それにはバッテリーのマイナス → ボディの線をはずせばいいわけです。
こうすると、何をやってもどの線もプラスからマイナスへ帰ってこれませんね。
車にオーディオや各種ライトなどの電装品を取り付ける際、必ず出てくる語に「アクセサリー」「イルミ」「常時」などがあります。
これっていったい何?といった具合に、初心者が取り付けを断念する第一ハードルのように思われます。
結論からいうと、これら全部同じものです。
初心者からすると、電気的に何か違うもののように思えるかもしれません。
ですが、同じバッテリーから繋がるプラスの線で、すべて電圧12V(実際は約12V〜14.4Vで変動)です。
何が違うかというと、いつ電気を流すかという違いだけです。
キーを挿さなくても12Vが流れる線、キーを挿し1つ右に回すと12Vが流れる線、もう1つ右に回さないと12Vが流れない線といった具合です。
それらをキーシリンダーのスイッチで切り替えています。
つまり、電装品とバッテリーの間には12Vの線が何本かあるのですが、そこにキーシリンダーというスイッチが入り、いつ流すか決定しているのです。
例えばラジオを使う場合、キーを挿していない状態で使えるようにすると、消し忘れてバッテリーが上がる可能性があります。→常時電源×
かといって、エンジンをかけていなければ使えないのでは不便です。→ON電源×
で、キーを1つ回した状態で電気が流れる線を使うわけです。→ACC電源!
じゃぁキーを挿さなくてもラジオが聴けるようにできるのか?
はい。簡単にできます。
イルミ電源というのは、バッテリーと電装品の間にもう1つ「ライトスイッチ」というのが入り、ライトのON/OFFで制御しているのです。
じゃぁアンペア(A)とかワット(W)とかは?・・・
と、言われると、
・・・いやそれは取り付ける電装品で変動するものなので・・・。となります。
車の電気は電圧12Vが固定されていて、取り付ける電装品のワット数に応じて電流値は変動します!
電力(W)の値とか電流(A)の値を気にするのは、バッテリーとの間に入っているヒューズの定格値を越えないようにするためです。
例えば、あるACC電源の線で10Aのヒューズがついている場合。
いま2Aと4Aの電装品が取り付けられているところに、新たに5A使う電装品をつけたらヒューズが切れてしまいます。
ですから、分岐しようとしている線に何アンペアのヒューズがつけられていて、その線は合計何アンペアの電装品に電源を供給しているのかを調べ、新たに取り付ける電装品によってヒューズの定格電流を越えないように計算しなければならないのです。
しかしながら、あまり計算する方がいないのが実情です。
電圧(V)=電流(A)×抵抗(Ω) |
ちなみにワット(=W=電力)は、電流と電圧をかけただけの値ですから、12で割れば電流値が簡単に出ます。
電力(W)=電流(A)×電圧(V) |
例:「5Wの電球」は、12V×(電流値)が5のことですから、5÷12≒0.417A=417mAとなります。
じゃぁどうせ12Vは変わらないんだから、はじめからアンペア表示にしろよって?
常時電源=バックアップ電源(12V+) |
文字通り常に電気が流れている線。
探し方は、まずテスターを電圧(V)レンジにします。
カプラーなどの配線が沢山ある中から見つける場合は、テスターの−を車体金属部分に当てたまま、
テスターの+を一つ一つの穴にぶっさして探します。(カプラー内の金属端子をめがけて挿します)
|
アクセサリー電源=ACC電源(12V+) |
エンジンをかけていないにも関わらずラジオが聴けたりします。
探し方はキーを挿していない時に0V、「ACC」の位置まで回した時に、
テスターが12Vを示すのがアクセサリー電源です。
キーの位置がACCより右回りの位置にあれば、12Vが供給される線です。
|
イグニッション電源=ON電源(12V+) |
イグニッションスイッチをONの位置にした時に、12V+が供給される電源。
探し方は、まずテスターを電圧(V)レンジにします。
念のため、キーをACCの位置にしたら0Vになるか、スモールライトのON/OFFでも切れたりしないかを確認します。
|
イルミネーション電源(12V+) |
スモールライト(ポジションランプ)をつけたときに、12Vがくる配線がイルミネーション電源です。
イルミ電源を探すにはキーをONの位置にして0V、スモールライトスイッチをつけると12Vになる線を探します。
ライトスイッチのON/OFFを繰り返して調べましょう。
|
アース=GND(−) |
マイナス端子であるアース(ボディアース)は、車体の“未塗装”且つ“金属”部分すべてです。
以下に主なアースポイントを紹介します。
どうしてもアースポイントが使えない場合は、そこがアースとして使えるか調べなければいけません。
|